なぜ地震は起こるの?

プレートの移動

地球の表面は、長い年月をかけて少しづつ移動する10数枚の「プレート」という巨大な岩石層の板でおおわれています。
日本列島は、陸域のユーラシア・プレートと北米プレートに、海域の太平洋プレートとフィリピン海プレートが潜り込んでいる非常に複雑なプレート境界の上にあり、世界でも最も地震の多い地域です。
プレート境界近傍では、プレート同士が押し合う力により、境界面やプレート内部で色々な形態の地震が発生します。

ユーラシアプレート | 北米プレート | 太平洋プレート | フィリピン海プレート

日本列島周辺のプレート

地震の原因は、大きく分けて2つ

1プレートの境界がずれることによって起こる「プレート間地震」

プレートのずれで起こるのが「プレート間地震」。多くは海溝付近で起こる“海溝型地震”です。
日本列島の太平洋側では、陸のプレートにフィリピン海や太平洋のプレートが沈み込むように移動しており、 「プレート間地震」が起こりやすくなっています。
東海地震、東南海地震、南海地震、スマトラ島沖地震(2004年12月発生)などがこのタイプです。

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海のプレートが陸のプレートの下に少しずつ沈み込む。

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陸と海のプレートががっちり組み合っているところでは、海のプレートが陸のプレートを引き込む。

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陸のプレートが元にもどろうとする力が蓄積され、海のプレートの引き込む力を超えたとき、陸のプレートが跳ね上がり、地震が発生する。

2プレート内部の破壊によって起こる「プレート内地震」

プレート内部がひずみ、部分的に壊れそうになってひずみが限界に達したときに起こるのが「プレート内地震」です。
過去に繰り返しプレート内地震が起こり、将来も地震が発生すると予測される断層を「活断層」といいます。
兵庫県南部地震(1995年1月発生)、新潟県中越地震(2004年10月発生)などがこのタイプです。
プレート内地震を“ 直下型地震”と呼ぶことがありますが、直下型というのは都市直下で起こる地震を意味し、人間の社会活動と結び付いた表現です。関東大震災を引き起こした地震のように、プレート間地震で“直下型地震”の場合もあります。

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活断層に、ずれの力が加わる。

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それぞれの活断層によって異なるが、長い年月をかけてひずみが蓄積される。

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ひずみが限界を超えたとき、活断層の部分がずれて地震が発生する。

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へぇー、地下ではそんなことが起こっているんだ。

日本列島近辺での大地震の発生確率

「発生確率」は、活断層のトレンチ調査(活断層部分を掘って断層の様子を調べる)などから推定される地震の繰り返し間隔と最新の活動時期から計算されます。1995年の兵庫県南部地震(阪神・淡路大震災)の地震発生直前の発生確率は0.4~8%(国の「地震調査研究推進本部」の予想)。
つまり、数%の値は決して低いものではなく、地震の発生確率としてはむしろ高い部類になります。

今後30年以内に大地震が起こる確率

公的機関が公表した主な断層帯および海域
(文部科学省 地震調査研究推進本部 2020年1月発表)

公的機関が公表した主な断層帯および海域

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  11. 11
  12. 12
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  15. 15
  16. 16
  17. 17
  18. 18
  19. 19
  20. 20
  21. 21
  • 地震名または活断層名
  • 予想
    マグニチュード
  • 地震発生確率(30年以内)
  1. 1
    根室沖
    7.8〜8.5程度
    80%程度
  2. 2
    十勝沖
    8.0~8.6程度
    9%
  3. 3
    三陸沖北部
    7.9程度
    6%~30%
  4. 4
    三陸沖北部から房総沖の海溝寄り
    (津波地震)
    (正断層型)
    8.6~9.0前後
    8.2前後
    30%程度
    7%
  5. 5
    茨城県沖
    7.0~7.5程度
    80%程度
  6. 6
    南海トラフ
    8~9クラス
    70%~80%
  7. 7
    黒松内低地断層帯
    7.3程度以上
    2%~5%以下
  8. 8
    山形盆地断層帯
    7.3程度
    0.003%~8%
  9. 9
    櫛形山脈断層帯
    6.8程度
    0.3%~5%
  10. 10
    三浦半島断層帯
    (主部:武山断層帯)
    6.6程度
    もしくはそれ以上
    6%~11%
  11. 11
    富士川河口断層帯
    8.0程度
    10%~18%
  12. 12
    境峠・神谷断層帯(主部)
    7.6程度
    0.02%~13%
  13. 13
    糸魚川-静岡構造線断層帯
    (中北部)
    7.6程度
    13%~30%
  14. 14
    砺波平野断層帯(東部)
    7.0程度
    0.04%~6%
  15. 15
    高山・大原断層帯(国府断層帯)
    7.2程度
    ほぼ0%~5%
  16. 16
    森本・富樫断層帯
    7.2程度
    2%~8%
  17. 17
    琵琶湖西岸断層帯(北部)
    7.1程度
    1%~3%
  18. 18
    中央構造線断層帯
    (和泉山脈南縁)
    7.2程度
    0.008%~0.3%
  19. 19
    上町断層帯
    7.5程度
    2%~3%
  20. 20
    菊川断層帯(中部)
    7.6程度
    0.1%~4%
  21. 21
    日奈久断層帯(八代海区間)
    7.3程度
    ほぼ0%~16%

数%でも大地震発生の可能性は高いのかぁ…。
地震対策をしっかり考えないとね。

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